2024年2月21日
クロスカフェ発信 外大×高専 対談コーナー
2023年9月20日(水曜)に開催されたクロスカフェに参加してくれた渡辺さんと岡本さんに、もっと深くそれぞれの想いや将来のことについて対談していただきました!
お二人の紹介
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(左:渡辺沙也子さん ※詳しいご紹介はこちらの学内サイトHaMiDaSuからもご覧いただけます。)
(右:岡本章宏さん ※ご研究中の万能グリッパについては日刊工業新聞のサイトにて(外部サイト))
【渡辺沙也子さん】
澳门美高梅金殿,澳门赌场app外国語学部ロシア学科2016年入学。2017年夏よりロシア中部?エカテリンブルクにて交換留学、ロシア極東?ウラジオストクにて休学留学を経験し、在外公館派遣員制度を利用して在ロシア日本国大使館にて勤務。合計4年間をロシアで過ごし、2022年春に帰国。2024年卒業予定。
【岡本章宏さん】
2022年神戸市立工業高等専門学校の機械工学科を卒業、2024年機械システム工学専攻を卒業し、大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻に進学予定。現在は、神戸高専ロボティクスの清水研究室に所属。「粉体工学」、「ロボティクス」を融合した研究に従事している。
それでは早速、多彩な学生生活を送られてきたお二人に対談していただきましょう?
渡辺さん、岡本さん対談スタート!
(渡辺さん)よろしくお願いします!色々お聞きしたいのですが、まず、岡本さんが高専に入学しようと思ったきっかけを教えてください。
(岡本さん)こちらこそ、よろしくお願いします!神戸高専の機械工学科へ進学したきっかけは、小さいころから工作や自動車が好きだったこと、また中学生の時には自動車の設計に携われるエンジニアになりたかったからです。渡辺さんの留学体験をクロスカフェの時に聞いて気になっていたのですが、なぜ外大に進学、またロシア語を専攻されたのですか?
(渡辺さん)外大に進学したのは、大学で新しい言語を専門的に学びたいと思ったからです。親が一時期ロシア語圏によく出張していたことからロシア語に興味を持ちました。日本でロシア語を学ぶ人は多くありませんが、旧ソ連や東欧をはじめとした様々な地域で話されている言語である上に、国連公用語の一つでもあり、学びを突き詰めれば将来幅広く活躍できるのではないかと考えました。
(※左:留学時代、ロシアでの大学祭にて、民族衣装を着た留学生たちと)
(※右:留学時代、来場者の名前を筆で書いて渡すイベントにて)
(岡本さん)ロシア語に興味を持たれた背景には、そのようなストーリーがあったのですね。この話に関連して、ロシアに留学しようと思ったきっかけや大使館で働かれていたことについてもお聞きしたいです。そして、それらの経験を経て自分が変わり、今の渡辺さんに影響を与えていることがあれば教えてください。
(渡辺さん)留学しようと思ったのは、現地に身を置いてできるだけ早いうちに仕事で使える語学力を身につけたかったからです。その後に大使館勤務という形で目標を達成できたことは良い経験になりました。自分の中で変わったことは、これまでよりも広い視野で物事を考えられるようになったことでしょうか。自分なりの考えを持ちつつも、他者の声や新しい価値観を受け入れる余裕を持てるようになりました。また、何をしている時でも、心の片隅で自分を俯瞰する力が養われたのではないかと思います。
(※大使館時代、モスクワでオペラ制作に関わった。出演者同士の記念写真)
(岡本さん)大学2年生という早い時期から留学し、多くの苦労や努力をされたと思いますが、最終的に現地の大使館で勤め上げられ、素晴らしい経験をされたのですね。自分も将来的に研究者として、海外で研究することもあると思うので、渡辺さんの存在はとても刺激になります。そして、研究や開発で上手くいかない時に広い視点からアプローチすると上手くいくことがあるので、広い視野で物事を考えることは自分も重要だと思います。
(渡辺さん)ありがとうございます!交流会でも「広い視野を持つ」ということが話題に上がりましたよね。何かに集中するにつれ、つい視野が狭まりがちですが、この意識を持つことで違いが生まれそうです。私も聞きたかったのですが、岡本さんから見て神戸高専はどんなところでしょうか。また高専生あるあるみたいなことはありますか(笑)
(岡本さん)簡単に説明すると、高専は中学校を卒業後5年間、低学年から工学をしっかり勉強する学校です。高専あるあるとしては、低学年の時から各学科の専門的な内容に関するレポートが多いこと、テストが難しいことですね。そのため、エナジードリンクをお供に夜遅くまで頑張る人が多いです。自分もよく徹夜した記憶があります(笑)
(※左:岡本さん製作、ロボットがコーヒーを淹れるキッチンカー(外部サイト))
(※右:科学館にて、子供達に科学や工学の面白さを伝えている様子)
(渡辺さん)そうなんですね。私も1、2年生の頃は予習復習に追われて、常に寝不足だったのを覚えています(笑)。それでも間に合わず、テスト前は徹夜したこともありました。分野は違っても、何かを学ぶ上で誰もが通る道なのかもしれませんね。では、岡本さんが高専で学んで一番良かったと思うことは何でしょうか。また、岡本さんの考えや価値観に変化はありましたか。
(岡本さん)工学が好きな人達に囲まれて学ぶことができたことですかね。具体的には、様々な分野の先生たちがいらっしゃるため、それぞれの分野?研究の面白さが知れたこと。さらには、自分の専攻分野をより一層深めたり、他の分野にもチャレンジしたり、向上心溢れる同期や先輩達が周りにいたことですね。これらのことから、次第に色々な分野に興味を持ち、研究者への憧れが強くなりました。そして入学時の将来の夢は、自動車に関するエンジニアになることでしたが、今では様々な分野に挑戦する研究者になるという夢に変わりました。
(※今年の春から進学する大阪大学大学院基礎工学研究科にて)
(渡辺さん)これまでの充実した日々が思い浮かびます。同じ興味関心を持つ人やその中でも色々な方向性の人と関わることで、岡本さん自身の考えにも磨きが掛かっていったのですね。私も外大の個性豊かな学生や先生方に多くの影響を受けてきましたし、これからも他者から学ぶ姿勢を持ち続けつつ、今度は誰かに影響を与えられるような人になりたいです。そのためにも、常に広い視野を持って物事に取り組みたいですね。では、岡本さんの将来の展望や夢を教えてください。
(岡本さん)将来は高専で培った機械工学的視点を活かし、幅広い視野を持ってあらゆる課題に対してアプローチできる独創的な研究者を目指しています。現在の取組みとして、神戸高専ロボティクスという研究室に所属し、キッチンカー上でロボットが自動でコーヒーを提供するシステムの開発、柔らかさを指向したロボットに関する研究をしています。そして、この研究室では粉とロボットに関する研究が盛んであるため、私はロボットだけではなく、粉にも興味を持つようになりました。外部の研究機関では、粉の挙動をシミュレーションする研究?開発にも取り組んでいます。さらには、光の性質を活かして粉を捕捉?操作する研究にも惹かれていて、大学院では、光の性質を活かし新現象探索や新物質創成に関する研究に取り組みます。このように様々な分野に挑戦し、研究や開発を通して、それぞれの分野に関して理解を深め、理想の研究者になるために精進していきたいです。
(渡辺さん)将来どんな人物になっているのか考えるとワクワクしますし、複数の分野を融合させて新しい道を切り拓いていかれるだろうなと思っています。私も岡本さんのように、目標をしっかりと見据えて一歩ずつ進んでいきたいです。これからもお互いの道で頑張りましょうね。
(岡本さん)ありがとうございます。最後に、渡辺さんのこれまでの学生生活やロシアでの経験を経て、どのような将来展望を描いているのか是非、教えてください。
(渡辺さん)私は春から企業に入社しますが、どういった業務につくにせよ、あらゆる状況に対応できる臨機応変さを身につけ、自分だけの強みを作り上げていこうと考えています。また、将来についてですが、私はモスクワで、外交官として日本の国益のために働く人たちを間近で見て、自分も何らかの分野で社会を根底から支える仕事に携わりたいと思うようになりました。その他にも様々な生き方をしている人と関われたことで、自分の中の選択肢が一気に広がったと感じています。その上で、これからも変化に富んだ環境で沢山の人と出会うことや、海外と関わりを持ち続けることを軸としています。いずれまた海外に出て、色んな仲間と力を合わせて新たな領域を開拓していく、というようなこともやりたいですね。ただ振り返ってみると、人生のその時々で興味を持った方向に舵を切ってみたり、道中で目の前に現れたものに乗っかってみたりした結果が今の自分であるという捉え方もできると思います。そのため、将来の展望を描きつつも、今の目の前にあることに一生懸命に取り組む姿勢を持ち続けたいです。
在学生へのメッセージ
(岡本さん)高専では、授業はもちろんですが、自分自身が興味をもつ分野を見つけ積極的に学ぶことも大事だと思います。そして、研究のみならず産業のグローバル化が加速する中、外国語や異文化への理解をすることで、さらに良いエンジニアや研究者になれると思います。皆さん、失敗を恐れず積極的にチャレンジして充実した高専生活を過ごしてください!
(渡辺さん)日々生活する中で、気になることにはどんどん挑戦してみてください。一見些細に見える事柄でも、自分でやってみたことが更なる興味関心を呼び寄せ、少しずつ人生の大筋を形作っていくのではないかと思います。あらゆる経験を糧にして、最後には胸を張って締めくくれるような学生生活を送ってください。
渡辺さん、岡本さん貴重なお話をありがとうございました。
今後も特色が異なる両校で勉強してきた双方の学生が交流しやすい場を設定し、学生同士で相乗効果のある取組を検討していきたいと思います!
渡辺さん、岡本さん、お忙しい中、インタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。