2024年4月12日
【休学留学】エセックス大学(イギリス)留学レポート
留学先?留学期間
エセックス大学 (2023年10月?2024年6月)
イギリスを選んだ理由や留学のきっかけを教えてください。
この留学は、自分の卒論を含め研究や学びを深めるための一環として捉えているため、特にジェンダーとセクシャリティを主に勉強しています。大学機関というアカデミックな学びに集中できるような環境、多様性をテーマとする留学の目的を担保できる特色ある大学を選びました。また、イギリスでは実際にこの分野で活動をしている団体が豊富であることも理由の一つです。実際に、国連女性機関イギリス事務所の大使として先日行われた国連女性の地位委員会(CSW)の会議にオンライン出席をしました。また、Pride in Londonという6月に行われるパレードのダイバーシティ&インクルージョンチームとしてボランティアをしています。LGBTQIA+だけでなく、多様な人種の人々を含み、障がいのある人のアクセシビリティを保障するなど、全ての属性の人々を含むことを目指した団体で学ぶことができ大変興味深いです。
初めは、大学4年間で模擬国連大会の運営や教育実習など当時活動していたことと留学を実現させることは難しいとほとんど諦めていました。ですが、4年の後期から資金支援もして頂きながら休学して学部留学を実現させることができました。通常より遅いタイミングではありますが、これまでの大学や模擬国連などの活動などで得た経験や知識を活かし、より明確な勉強内容と目的を持って勉強をすることができていると思います。
留学先での授業は?
ジェンダー論やフェミニズムに興味があり、"Feminism" "Race, Class, Gender" "Women and US Film"の授業を取りました。イギリスの女性の権利獲得の歴史やイギリスに限らず国際的な現代に残る様々な課題を学ぶことができ、とても良かったです。
またエセックス大学は社会学の分野で国際的にも高い評価を得ているということもあり"Sociology of Sexuality"を受講しています。LGBTQIA+の平等を目指す上での、政策、市民権、教育などをめぐる現代の動向を学ぶことができました。私自身、全てのジェンダーやセクシャリティの学生を含めた学校機関や教育のあり方についての卒論研究を進めているため、社会学部によるセクシャリティ教育の特別講義やこの分野に特化した教授の元で学ぶことができ、本当に良かったです。
また、以前より英語教員としてのキャリアも目指しているため、英語を母語としない人へ英語を教える教員を目指す学生に向けた授業("Introduction to embedding sustainability in TEFL/TESOL")も受講しました。Education for Sustainable Developmentのコンセプトで、これからを担う若者を育成するために、教員や生徒が身につけるべきスキルや理論、それらを実際の言語教育の中でどのように組み込むのかを学び、教科書研究や指導案を作成するなど実践的な学びができ面白かったです。休学留学ということで、学部関係なく興味のある授業を受講できたことも魅力の一つでした。
よく勉強したお気に入りの図書館 キャンパスの中心エリア
留学先の雰囲気は?
エセックス大学は、学生団体が運営するイベントやボランティア活動が頻繁に行われており、常に多くの活動で活気に溢れており、学生の活躍する機会が多い印象です。何より、留学生はもちろん正規の学生も多くの国から集まっており、生まれや国籍など多様性に溢れた環境だと実感しています。私も実際に多くの国籍の友達ができ、夜はホームパーティを開いたり、週末は旅行に出かけたりしています。日本の食事や文化に興味を持ってくれる学生も非常に多く、日本食を一緒に作るなど充実した時間を過ごすことができています。
現在までの留学先での一番の思い出は?
誕生日に友達が誕生日パーティーを開いてくれたことがとても嬉しかったです。ここに写っている写真の友達のほとんどが1セメスターのみの留学を終え既にそれぞれの国へ帰ってしまいましたが、新たな環境で留学生活を共に経験できたこと、勉強や人生において高め合うことのできる仲間に出会えたこと、国籍や言語などバックグラウンドがみんな違っても、こんなにも優しく温かい人たちと出会うことができたことは私の財産です。そんな彼らと夏休みに再会をし、ヨーロッパ旅行に一緒に行く予定です。世界中に大切な友達がいると思うと、自分の人生により豊かさと楽しみを持って生きることができるようになった気持ちがあります。
友達に祝ってもらった誕生日パーティー
留学前の準備スケジュールについて教えてください。
2022年12月 荻野スカラシップ選考完了
2023年6月 トビタテ留学Japan選考完了、受け入れ先の大学決定
2023年7月 トビタテ留学Japan事前研修
2023年8月 イギリス学生ビザ取得、航空券の手配、寮の申し込み
2023年9月 履修登録、受け入れ大学のオリエンテーション参加
2023年9月末 出発
休学かつエージェントを使わず全ての手続きを自分で進めることは不安でしたが、国際交流センターの方や教授に沢山お世話になり本当に感謝しています。もちろん大変なことやトラブルもありましたが、その分大学のシステムや授業のことなどに対して詳しくなったり、留学先の大学職員の方と直接的にやりとりして最新の情報を入手することができたり良いことが多かったです。また、出発前から英語でメールのやり取りをしたり、リサーチをしたり、英語に触れる機会を多く作ることができて良かったです。
留学の際に日本から持っていくと良いものを教えてください。
【留学前に大切な人たちからもらった手紙と写真】
留学先の自分の部屋のボードに貼っていつでも目に入るようにしています。辛い時やしんどい時など心の大きな支えになっています。
?【風邪薬、痛み止めなど】
環境の変化や乾燥などの喉の痛みから風邪を引くことが何度かありました。風邪薬や喉に効く薬を持っていなかったので、いざという時のために常備薬は必要だと痛感しました。
?【小さい炊飯器】
スイッチを入れるだけでお米が炊ける小さい炊飯器を日本から持って行きました。留学先でも手軽に美味しくお米を食べることができるのでお勧めです。?
留学を経て学んだことや、身に付いた力などを教えてください。
留学は、日常的に自分と全く異なる背景を持つ人々や新たな考えに触れられることが大きな魅力だと思います。そのおかげで、自分の将来の可能性や選択肢、人生の生き方など、多様な視点から捉え直すことができました。私は今まで、卒業後は英語教員という職業を目指しており、漠然と日本の学校機関で働くことを想像していました。ですが、これまで多くの方に出会ったこと、英語を活かすことができた経験から、これまで漠然と抱いていた将来の生き方や想像が崩れた瞬間を何度も経験しました。大学院などで学び続けること、海外で働くこと、様々な関わり方で英語教育や国際交流に携わることなど、幅広い視点からより多くの将来の選択肢と可能性を感じることができるようになったことは、自分にとって大変意味のあるものだと感じています。
Big ben の前で
また、留学は外から見る壮大でキラキラしたものとはかけ離れた、自分との戦いのような機会であるということを経験しました。海外に行くという行為だけで何かが劇的に変わるというものではなく、新たな環境と人間関係の中でどれだけ自分から飛び込んで挑戦できるか、全て自分次第であるということを再認識しました。
また、いつもより頑張れなかった時、思うようにいかない時、通常よりも落ち込み自分自身を責めてしまうこともありました。時間が有限であるからこそ最大限に頑張りたいという自分自身への期待や周りから見える姿とは程遠い現実の自分と向き合うことのしんどさも感じました。自分の精神的な弱さや不完全な部分を受け入れられず悩むことが多かったですが、それでも自分と向き合い自分自身をよく知ることができたことは大切な期間でした。これから留学を迎える人や考えている人には、自分の心身の健康を一番優先すること、できないことがあるのは当たり前なので、そんな自分も受け止めてあげて、大切な学びの機会として捉えるようにできると良いのではないかと伝えたいです。
神戸市外大を選んだ理由を教えてください。
一言で表すと英語を使って専門分野を学びたかったからです。高校で、LGBTQ+や男女のジェンダーロールなどのトピックを扱った授業を受け、これまで漠然と抱いていた自分の中の固定概念や性の多様性を知りました。それから、国籍、人種、性別、性のあり方などに基づく差別問題について興味を持ち、英語はもちろん国際関係や人権問題を学ぶことのできるこの大学学科を志望しました。
?また、高校3年生の際に神戸市外大主催のJUEMUN(日本大学英語模擬国連大会)を見に行ったことがきっかけで模擬国連活動に参加したいと思ったことも理由の一つです。
神戸市外大を目指す受験生に応援メッセージをお願いします!
?高校までの勉強とはまた違う自分のやりたいことの学ぶ楽しさや幅広い経験ができる可能性があることが大学の魅力だと感じています。中でも、神戸市外大は、小規模であり人との繋がりが濃いものであること、課外活動、留学、休学などそれぞれの分野に積極的に取り組んでいる好奇心旺盛な学生が多く、常に刺激をもらうことができます。語学を生かして国内海外に限らず多くの人と繋がり、様々な考えや価値観に触れる大学生活は、自分の世界や今後の選択肢を広げてくれる大切な経験になると思います。
受験期間は、多方面からのプレッシャーを受けたり、自分と向き合うが故に自分自身を見失ったり責めたりしてしまうことがあるかと思います。当時受験で苦戦していたところ恩師に、「才能とは生まれ持った素質だけでなく、何かを成し遂げる力」という言葉をかけてもらいました。自信を持つということは、「自分は物事を成し遂げられる」と信じてあげることだと思うので、それぞれ自信を持って諦めずに進んでいってほしいと思います。結果がどうであれ、今努力しているその経験がきっと自分を支え、強くしてくれるものであるということを伝えたいです。